美和はすでに会場に到着しており、あちこちと回った後、少し息抜きをしようとした。その瞬間、視線が大門口の三井鈴に向かった。
美和の目には驚きの色が浮かんだ。
「三井鈴、彼女がここにいるなんてどうして?」美和が言うと、隣にいた部下も彼女の視線に続いた。
部下も驚いていた。
しかし、昨日三井鈴がスポーツカーに乗っているのを見たことを思い出し、嫉妬して言った。「もしかして、ただの食事目当てで来たのかな」
美和は口を尖らせ、三井鈴がここにいるのは自分の格を下げると感じた。
「こんな場に、まさに何でもかんでも来て楽しんでいるね」
部下は美和が不満そうにしているのを見て、考えを巡らせた。「美和、私が彼女を叩いておいて、彼女に思い知らせてあげようか?」
美和は何も言わなかったが、黙っているのは同意を示しているようだった。
部下はそう思い、三井鈴の元へと向かって行った。
「これじゃあ、同級生じゃないか?君もここに来たのか?招待状はあるの?それともただの食事目当てで混ざりに来たのか?」
言葉の中には嘲笑が満ちていた。
三井鈴は眉をひそめた。
振り返ると、傲慢な顔をした部下が彼女を見下しているのが見えた。そして、遠くでは美和が好奇心満々の様子で、目の底には嘲笑が満ちていた。
三井鈴は落ち着いて言った。「あなた、入会資格がなかったんじゃなかった?」
簡単な一言だったが、部下の顔色は変わった。彼女は確かに美和と一緒に入ってきたが、三井鈴がそれをどう知っているのか?
それから、彼女は厳しい口調で言った。「何を言ってるのよ!」
三井鈴は怒らずに笑った。「同じことを返すわよ。ここで無駄口を叩かないで」
部下の表情は一変した。
彼女は三井鈴がこんなに口が達者だとは思わなかった。
「三井鈴、あなたが無駄口を叩いているかどうか、あなたの心の中で分かってるでしょう。人の彼氏を奪うのは名誉あることじゃないし、私に皆の前であなたの恥ずかしいことを言わせたいの?」
部下の声は大きくも小さくもなかったが、それでも多くの人の注意を引いた。三井鈴は目を細め、あまり良い表情をしていなかった。
しかし部下は自分が三井鈴の弱点を突いたと思い、遠くの美和に得意げにサインを送った。
そして続けた。「今の時代、お金のためなら何でもするわ。当たり前のことだし、恥ずかしいことじゃない。結